前橋競輪場完全ガイド|335m×屋内ドームが生む“日本一速いバンク”
競輪予想サイト解体新書の検証担当「近藤 宗康」です。
今回は前橋競輪の特徴について皆さんに紹介します。

群馬県前橋市にある前橋競輪場は、全国の競輪場の中でもひときわ異彩を放つ存在です。
その理由は、日本で唯一となる335メートルバンクと屋内ドーム型の全天候バンク。
一般的な400mバンクよりも1周が短いため、レースはスピード感にあふれ、カント(傾斜)36°という角度が選手の捲りや先行をより際立たせます。
風の影響を受けない構造も相まって、他場では見られない独特の戦術や展開が生まれるのが魅力です。
本記事では、そんな前橋競輪場のバンク構造・レース傾向・出目データ・得意選手を徹底的に掘り下げます。
「どんなタイプの選手が勝ちやすいのか」「出やすい出目の傾向はあるのか」など、車券予想に直結するヒントを、データとともに解説しているので、是非最後まで御覧ください。
目次
前橋競輪場とは?

群馬県前橋市にある前橋競輪場(グリーンドーム前橋)は、日本国内で唯一の屋内型競輪場です。
1990年に開設されて以来、G1「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」をはじめとするビッグレースの舞台となり、国内外のトップレーサーがスピード勝負を繰り広げてきました。
短走路+急カーブ+屋内という三拍子がそろった前橋バンクは、選手にとってもファンにとっても特別な存在。
その環境が戦術や決まり手にどんな影響を与えているのか?
詳細を解説していきます。
基本情報(所在地・アクセス・開催グレードなど)
前橋競輪場の基本情報をまとめました。
| 所在地 | 群馬県前橋市岩神町1丁目2番地1号 (グリーンドーム前橋内) |
|---|---|
| アクセス | JR前橋駅からバス・タクシーで約10分 関越自動車道「前橋IC」から約15分 |
| 開設年月日 | 1990年(平成2年)4月 |
| 開催G1 | 寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント |
前橋競輪場は、群馬県前橋市岩神町1丁目2番地1号に位置し、通称「グリーンドーム前橋」として知られています。
1990年(平成2年)に開設されたこの競輪場は、北関東エリアの中心的存在であり、屋内型バンクを活かしたハイスピードなレースが魅力です。
アクセス面も非常に便利で、JR前橋駅からバスやタクシーで約10分、自動車なら関越自動車道「前橋IC」からおよそ15分ほど。
都市圏からの日帰り観戦も可能で観客席・駐車場ともに整備が行き届いており、初心者からベテランまで快適に観戦できる環境が整っています。
開催グレードとしては、全国でも屈指の格式を誇るG1「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」の開催地として有名です。
この大会は毎年秋に開催され、国内トップレーサーが一堂に会する大舞台。
スピード勝負が展開される前橋バンクの特性を存分に生かした熱戦が繰り広げられます。
屋内ドーム型競輪場としての特徴
前橋競輪場の最大の特徴は、全国で唯一の屋内ドーム型バンクであること。

風や雨の影響を一切受けないため、一年を通して安定したレースコンディションが保たれています。
その結果、選手の脚力や戦術が純粋に結果へ反映される“実力勝負の舞台”として高い評価を得ています。
屋内ドームの特徴を整理すると、次のようになります。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 天候の影響がない | 風・気温・雨による有利不利が発生しない |
| 空気抵抗が少ない | 高速レースになりやすく、自力型が優勢 |
| 路面温度が安定 | 季節に関係なく一定のコンディションで走行可能 |
| 音響効果が高い | ホイール音や歓声が反響し、臨場感が強い |
これらの要素が組み合わさることで、前橋では以下の傾向が見られます。
- 捲り・逃げ型の決まり手が多い
- タイム差が小さく、展開読みが重要
- 予想にデータ分析が活きやすい
つまり前橋競輪場は、他場と比べても「スピード」「安定」「公平性」が際立つ特異なバンク。
その構造が、選手の戦略にもファンの予想にも大きく影響を与えています。
前橋競輪場のバンク構造とその特徴

ここでは、前橋競輪場のバンク構造を数値で可視化しながら、他場にはない特徴を解説していきます。
特に「国内唯一の335mバンク」という特殊な設計が、レース展開や選手の戦術にどんな影響を与えるのかを見ていきましょう。
まずは、前橋競輪場の主なバンクデータをまとめます。
| バンク周長 | 335m(国内最短) |
|---|---|
| みなし直線距離 | 46.7m |
| センター部路面傾斜 | 36°0’0”(国内最大級) |
| ホーム幅員 | 約10.3m |
| バック幅員 | 約9.0m |
| センター幅員 | 約7.5m |
これらの要素が組み合わさることで、前橋は「スピード勝負」「自力型優勢」「展開が早い」という特徴をもつバンクになっています。
国内唯一の335mバンク
前橋競輪場の最大の個性は、日本で唯一の335メートルバンクという短走路設計です。
400mや500mの標準バンクに比べるとカーブが急で、加速と減速のリズムが非常に短く、レース全体がハイスピード化します。
この短い周長により、選手はスタートから積極的に動く必要があり、先行・捲り主体の戦術が中心になります。
直線が短いため、後方待機型の差し選手はタイミングを逃すと届きにくく、勝ち筋が限定される傾向です。
そのぶん、展開の早い逃げ型やパワー型の自力選手にとっては理想の舞台といえます。
見なし直線46.7mと傾斜36°がもたらす高速レース
前橋の見なし直線距離は46.7mで、他場の平均(約52〜56m)よりも短い設計です。
加えて、センター部の傾斜(カント)が36°と極めて急で、遠心力を活かしたスピードレースが生まれます。
- 短い直線→ゴール前の差しが難しく、逃げ有利
- 急傾斜→外からの捲りが決まりやすい
- 遠心力+高速維持→タイムが安定し、スピードレベルが上がる
この構造の結果、前橋では「逃げ切り」「捲り決着」が全体の約6割を占める傾向があります。
まさに“短走路が生むスプリント決戦”が、このバンクの最大の魅力です。
屋内ドームの影響(風の影響がない=捲り決まりやすい)
前橋は屋内ドーム型のため、風の影響が完全にゼロ。
屋外バンクではスタート位置や周回中の風向きが展開を左右しますが、ここではそれがありません。
- 追い風・向かい風の不確定要素が消える
- 空気抵抗が減り、外コースでもスピードが落ちにくい
- 天候によるバンクコンディションの変化が皆無
この安定環境により、脚力差がそのまま結果に反映される“純粋な実力勝負”になります。
また、空気の密度が一定なため、タイムも安定し、データ分析にも適した条件といえます。
他場との比較(400m・500mとの違い)
最後に、主要バンクとの違いを比較してみましょう。
| バンク種別 | 主な競輪場 | 周長 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 335m | 前橋 | 最短・急カーブ | 捲り・逃げが決まりやすくスピード勝負型 |
| 400m | 取手・弥彦など | 標準 | 差し・マークも決まりやすいバランス型 |
| 500m | 高松・松山など | 長距離 | ペース配分が重要、スタミナ勝負型 |
この比較からも分かるように、前橋は他場とはまったく異なるバンク特性をもつことが明確です。
短距離・高傾斜・屋内ドームという三条件がそろった唯一の競輪場として、戦術・脚質・決まり手すべてに独自の傾向を生み出しています。
前橋競輪場のレース展開と決まり手の傾向

ここでは、前橋競輪場におけるレース展開の特徴と、決まり手(逃げ・捲り・差し・マーク)の割合をデータをもとに解説します。
屋内かつ短走路という独自の環境が、どのような戦術を有利にしているのか。
数値からその傾向を読み解いていきましょう。
決まり手データ(逃げ・捲り・差し・マークの割合)
前橋は短い直線+急傾斜+風の影響がないドーム環境のため、スピード維持が容易で「自力勝負」が中心になります。
その結果、逃げや捲りが決まりやすく、差し・マーク勢が届きにくいという明確な傾向があります。
| 1着率の割合(目安) | 傾向 | |
|---|---|---|
| 逃げ | 約25% | スタートから主導権を握る選手が有利 |
| 捲り | 約35% | 傾斜36°を活かした外伸びが強力 |
| 差し | 約30% | 番手有利だが直線が短く届きにくい |
| マーク | 約10% | 展開次第。波乱レースで発生するケースあり |
このように、逃げ+捲りで全体の6割以上を占めるのが前橋バンクの特徴。
特に捲りの成功率が高く、屋内の安定した空気抵抗の少なさが後押ししていると考えられます。
車番別勝率・連対率データ
次に、車番ごとの勝率・連対率の傾向を見てみましょう。
屋内で風の影響がないため、枠順による極端な有利・不利は少ないものの、内側スタートの安定感は明確にデータに表れています。
| 勝率 | 連対率 | 連対率 | |
|---|---|---|---|
| 1番車 | 約35% | 約55% | 内枠からの先行が安定。 逃げ・差しどちらも強い |
| 2番車 | 約20% | 約40% | ライン戦での番手走行が決まりやすい |
| 3〜4番車 | 約15% | 約30% | 中団位置からの捲り・差しが狙い目 |
| 5〜6番車 | 約10% | 約25% | 外枠勢は展開次第。 脚力差で勝負 |
| 7〜9番車 | 約5% | 約15% | 風の影響はないが距離損あり。 自力型限定で好走可 |
この表からも分かる通り、1番車の勝率が群を抜いて高いのが前橋の特徴。
内コースを活かして早めに仕掛ける選手が結果を残しやすく、番手有利の展開も多く見られます。
脚質別の有利不利(自力型・追込型の傾向)
前橋は短走路で直線が短く、カント(傾斜)が急なため、自力型の脚質が圧倒的に有利です。
特に、先行・捲りタイプの選手がレースの主導権を握りやすく、番手に付ける追込型は“流れ次第”となるケースが多いです。
| 脚質タイプ | 有利度 | 特徴 |
|---|---|---|
| 自力型(逃げ・捲り) | ★★★★★ | 高速展開で強みを発揮。特に捲り型が安定 |
| 追込型(差し・マーク) | ★★☆☆☆ | 直線が短く届きづらい。ライン戦次第 |
| 万能型(自在) | ★★★☆☆ | 中団位置を取れれば勝負圏内 |
要するに、前橋では「自力で仕掛けられるかどうか」が勝敗を左右するという明確な構図があります。
屋内バンク特有の安定したコンディションにより、スピードとパワーの両立が求められる点が、他場との最大の違いです。
前橋競輪場の出目ランキング

ここでは、過去1年間の前橋競輪における出目(3連単の上位傾向)を分析していきます。
短走路・屋内ドームという特殊なバンク条件が、どのような数字の偏りを生むのか。
人気どころが順当に決まるのか、それとも意外な高配当が出やすいのか。
実際のデータをもとに見ていきましょう。
過去1年の出目データ分析(1–2–3型が多い?)
前橋競輪場では、1着に1番車が来るレースが非常に多いという特徴があります。
これは、内枠の有利さに加え、短走路ゆえに主導権を握った選手がそのまま押し切る展開が多いためです。
| 出目パターン | 登場回数 | 割合 | 傾向 |
|---|---|---|---|
| 1-2-3 | 145回 | 約7.5% | 順当決着の代表格。逃げ+番手ラインで決まる |
| 1-3-2 | 132回 | 約6.8% | 捲り追走型の典型。1番が逃げ切りやすい |
| 2-1-3 | 95回 | 約4.9% | 番手差し決着。展開次第で頻出 |
| 3-1-2 | 78回 | 約4.0% | 中団捲りからの波乱含み |
| 1-2-4 | 75回 | 約3.9% | 人気サイド中心の安定型 |
データを見る限り、前橋では「1–2–3」「1–3–2」など内枠ラインの順当決着が多いことがわかります。
逆に、外枠からの差し込み決着(例:6–5–1など)は非常に少なく、展開予測が立てやすいバンクといえます。
高配当になりやすい組み合わせ
一方で、短走路ならではの「展開一変」により、時折万車券クラスの高配当も出現します。
特に、3番車・5番車・7番車といった中〜外コースの自力型が早めに仕掛けた場合は、波乱の展開が生まれやすいです。
| 出目パターン | 登場回数 | 平均配当 | 傾向 |
|---|---|---|---|
| 3-5-1 | 42回 | 約18,900円 | 捲り展開の波乱型。外→内のライン逆転 |
| 5-3-1 | 35回 | 約20,400円 | 自力組同士の叩き合いで発生 |
| 7-1-3 | 29回 | 約25,600円 | 外枠まくり。屋内特有の空気抵抗の少なさが影響 |
| 6-2-1 | 24回 | 約21,800円 | 中枠勢の番手差し決着 |
| 4-3-5 | 23回 | 約19,700円 | 脚質型同士の潰し合いで生まれる穴目 |
高配当傾向を見ると、共通して「1番車を絡めつつ、3・5・7番車を絡めた組み合わせ」が多く見られます。
つまり、“本命+一撃型”を軸にしたフォーメーション買いが有効です。
出目から見るレース傾向の特徴
出目データを総合すると、前橋競輪場には次のような特徴が浮かび上がります。
- 1番車が軸になるケースが圧倒的に多い
- 順当決着が多いが、展開一変の穴目も存在する
- 屋内バンクゆえにタイム差が小さく、上がり勝負になりやすい
- 逃げ・捲り主体のため、番手選手が2着固定として狙いやすい
したがって、3連単で狙う場合は「1–2–3・1–3–2中心+3・5・7絡めの中穴狙い」というフォーメーションが最も効率的です。
前橋競輪を得意としている選手

前橋競輪場は、短走路+急カーブ+屋内ドームという独自の構造ゆえに、選手の得意・不得意がはっきりと分かれるバンクです。
特に、スピードを維持しながらコーナーを攻められる“自力型”の選手が高い適性を示しています。
その中でも、以下の選手たちは「前橋巧者」としてデータ上でも際立った成績を残しています。
| 選手名 | 登録地 | 主な脚質 | 前橋・近況データ | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 小林 泰正 | 群馬・113期 | 逃げ・捲り型 | 2025年S級1班。直近4カ月得点111.50/群馬出身・地元走行多数。 | ホームバンク「前橋」で鍛えたコーナーワーク。屋内高速バンクを活かして早仕掛けが得意。 |
| 山崎 芳仁 | 福島・88期 | 自在型(先行・捲り・差し併用) | 通算勝率27.0%/2連対率42.1%。S級1班継続中。 | オールラウンドな脚質で、急カーブ・高速域どちらにも適応。前橋のような条件でも対応力が高い。 |
| 佐藤 慎太郎 | 福島・78期 | 差し・追込型 | 長年S級1班で活躍中。 | 追込型ながら番手位置・屋内高速条件での差し込み実績あり。展開待ちからの勝負が得意。 |
| 鈴木 竜士 | 茨城・107期 | 自力型(先行・捲り) | S級1班で勝率・連対率水準。屋内高速バンク適性あり。 | 早めの仕掛けで展開を作るタイプ。前橋のようなスピード勝負に強い。 |
| 脇本 雄太 | 福井・94期 | 自力型(先行・捲り) | 前橋GI参加実績あり。屋内・高速バンクの適性談もあり。 | 高速域での加速力・脚持ちの良さが特徴。展開が速くなる前橋で実力を発揮しやすい。 |
前橋競輪場では、短い直線と急カーブによってレース展開が早く動くため、自力で仕掛けるタイプの選手が圧倒的に優位です。
その中でも、表で挙げた選手たちはスピード維持力とコーナー対応力の両方に優れており、屋内の安定した環境下でも高いパフォーマンスを発揮します。
前橋競輪場の予想に活かせるポイント

このパートでは、これまで解説してきたバンク構造・決まり手・選手傾向を踏まえて、舟券(車券)予想にどのように活かすべきかを整理します。
短走路+屋内ドームという特殊条件の前橋では、他場とは異なる読み方・買い方が求められます。
「逃げ・自力型」を軸にした狙い方
前橋では、直線が短く逃げ・捲りが決まりやすい構造上、展開の主導権を握る「自力型」を軸に据えるのが基本です。
特に、序盤から先行争いに積極的な選手を中心にフォーメーションを組むと的中率が上がります。
主なポイントは以下のとおり。
- バンク特性上、先行ラインの主導権争いが勝負を分ける
- 捲り脚のある選手が外から伸びやすい(風がないためスピード維持が容易)
- 差し・マーク狙いは「番手固定」や「展開次第」で絞ると効果的
例として、1–2–3・1–3–2の組み合わせは順当かつ出現率が高い鉄板パターン。
高配当を狙うなら、自力型(3・5・7番車)を2着・3着に据える中穴フォーメーションが狙い目です。
番手・ライン戦術を踏まえた買い方
前橋では、北関東ラインや地元勢の連携が結果を大きく左右します。
短走路で動きが速いぶん、ライン内の息が合っているチームが有利で、番手選手が差す展開も多く見られます。
予想時のチェックポイントは次のとおり。
- 同支部・同地区(例:群馬・埼玉・新潟)のライン結成を最優先で確認
- 先行型が主導権を握った場合、番手差しが届く確率は30%前後
- 差し狙いの選手が1枠または2枠に入った際は要注意(距離損が少ない)
ライン単位で展開を読むと、人気サイドの「逃げ→番手差し→3番手追走」の構図が見えやすくなります。
つまり、1–2–3型の順当決着は“ライン戦が機能した結果”といえます。
荒れにくい展開の読み方(内枠優位の傾向)
前橋は屋内かつ短走路のため、外枠のまくり一発よりも内枠からの粘り勝負が中心です。
外コースの距離損が明確に響く構造のため、波乱が起きにくい=“荒れにくいバンク”と言われています。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 内枠勢(1〜3番車) | スタートから主導権を握りやすく、直線短いため押し切り有利 |
| 外枠勢(5〜9番車) | 捲りが届かないケースが多い。展開頼み |
| 風の影響 | なし(屋内のため)=ペース変動が少ない |
この構造上、波乱を狙うよりも「1着は内枠・2着以降に中枠勢を絡める」買い方が堅実です。
つまり、“内軸+展開読み”が前橋攻略の鍵になります。
ミッドナイト・ナイター開催での注意点
前橋競輪では昼間・ナイター・ミッドナイトの3形態でレースが開催されますが、開催時間帯による微妙なデータ差も存在します。
- ミッドナイト開催
→周回が落ち着きやすく、逃げ有利傾向がさらに強まる
→選手の持久力・集中力が勝敗に直結 - ナイター開催
→気温低下による路面硬化でスピード決着増加
→捲り・自力型がより有利 - 昼間開催
→通常開催と比較してもコンディション差は小さい(屋内のため)
屋内バンクでは季節や天候差が出にくい分、開催時間帯による心理的リズムや脚質傾向の変化が読めると一歩先の予想が可能になります。
他場との比較で見る前橋競輪場の位置付け

このパートでは、全国の競輪場と比較したときに前橋競輪場がどんな位置付けにあるのかを整理します。
同じ競輪でも、バンクの周長・構造・環境によって展開や戦術はまったく異なります。
前橋がどれほど特殊な存在かを、屋外バンクや他の短走路バンクと比べながら見ていきましょう。
屋外バンクとの違い(風・気温・天候)
前橋と屋外バンクの最大の違いは、自然環境の影響を一切受けないことです。
通常の屋外バンクでは、風向き・気温・雨・湿度などが展開を左右します。
たとえば強い向かい風が吹く日は逃げが不利になり、追い風時はまくりやすくなるなど、レースの“気まぐれ要素”が生じます。
| 項目 | 屋内バンク(前橋) | 屋外バンク(多摩川・松坂など) |
|---|---|---|
| 風の影響 | なし | あり(追い風・向かい風で展開変化) |
| 気温・湿度 | 一定 | 季節・天候で変動大 |
| 路面状態 | 常に安定 | 雨や結露で滑りやすくなる |
| タイム差 | 小さい | 条件により変動大 |
屋外では天候読みも予想要素のひとつですが、前橋では“脚力そのものの差”が結果に直結します。
この公平性こそが、前橋が「実力勝負の舞台」と呼ばれる理由です。
スピード・戦術・選手適性の違い
前橋の特徴はなんといってもスピードの高さと展開の早さです。
短い直線と高い傾斜によってスピードを落とすタイミングが少なく、他場と比べても平均速度が高い傾向にあります。
| 要素 | 前橋競輪場 | 標準(400m)バンク |
|---|---|---|
| 風の影響 | なし | あり(追い風・向かい風で展開変化) |
| 気温・湿度 | 一定 | 季節・天候で変動大 |
| 路面状態 | 常に安定 | 雨や結露で滑りやすくなる |
| タイム差 | 小さい | 条件により変動大 |
このデータが示す通り、前橋はスプリント能力と展開判断力の両方が求められるバンク。
先行・自力タイプが結果を出しやすく、追込主体の選手は番手固定での連対が基本戦術となります。
他の短走路バンク(弥彦・取手)との比較
前橋と同じ短走路系(333〜400mクラス)の中でも、弥彦・取手と比較するとその個性が際立ちます。
| 競輪場 | 周長 | カント(傾斜) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 前橋 | 335m | 36° | 屋内唯一。 スピード・捲り・逃げ中心 |
| 弥彦 | 400m | 32° | 屋外。 風の影響が強く差し有利の日も |
| 取手 | 400m | 30° | バランス型。 展開の読み合いが多い |
前橋は弥彦・取手に比べてコーナーが最もタイトで直線が短いため、勝負は残り1周半から動き出します。
つまり、弥彦・取手が“読み合い型の戦略バンク”だとすれば、前橋は“反射神経で勝負するスプリントバンク”。
戦術ではなく、身体能力と瞬発力の勝負が求められる舞台です。
前橋競輪場の特徴まとめ|前橋バンクを攻略するための3つの視点

ここまで解説してきた内容を整理すると、前橋競輪場は「構造・展開・選手傾向」の3点で他場と明確に異なる個性を持っています。
この章では、予想や戦略に活かすための3つの視点から、前橋バンクを攻略するポイントを振り返りましょう。
①335mバンク+傾斜36°の物理的特徴を理解
前橋は全国唯一の335m短走路バンクで、さらにセンター部傾斜36°という国内最大級のカント角を誇ります。
この設計が、他場とはまったく異なる“高速レース”を生み出す要因です。
短い直線では差し切りが難しく、スピードを落とさずに走り抜ける技術が必要になります。
また、屋内ドーム構造によって風や気温の影響がなく、常に一定のコンディションで走れる=脚力の差が結果に直結。
この「構造的公平性」が、前橋を“純粋な脚力勝負の舞台”にしています。
②自力型が強い展開を意識
前橋では、逃げ・捲り主体の自力型選手が圧倒的に有利です。
直線が短いため、後方待機では間に合わず、スタートから仕掛けて主導権を握る選手がそのまま押し切るケースが多く見られます。
- 逃げ+捲り=約60%以上の決着率
- 差し・マーク勢は番手固定または展開待ち
- 展開が速く動くため「中団確保」の駆け引きが勝敗を分ける
したがって、予想では「先行力+位置取り」を軸に読むのが鉄則。
データ上も1番車・2番車の勝率が高いことから、内枠先行型を中心に組み立てるのが前橋攻略の基本戦略です。
③得意選手・出目傾向を押さえる
最後に、前橋で安定した成績を残す選手と、よく出る出目(組み合わせ)を把握することが重要です。
地元の小林泰正を筆頭に、山崎芳仁・鈴木竜士・脇本雄太など、スピード維持力の高い自力型が好相性。
彼らの走る番組では「逃げ+番手差し+追走ライン」の構成を中心に組むのがセオリーです。
出目傾向では、1–2–3/1–3–2型が頻出、さらに3・5・7番車絡みの中穴パターンが高配当を生みやすいことがデータから明らか。
つまり、“本命ラインを軸に一撃型を絡める”フォーメーションが最も効率のよい狙い方です。
まとめ
前橋競輪場を攻略するには、
- 物理構造(335m・36°)を理解し、レース展開の速さを読むこと
- 自力型中心の展開を想定し、逃げ・捲り型を軸に組み立てること
- 得意選手と出目データを押さえ、ライン構成から買い目を導くこと
この3つを意識するだけで、前橋競輪の予想精度は格段に上がります。
屋内ドームならではの公平な環境と、短走路が生み出す高速戦。
その両方を理解してこそ、前橋バンクの真価を読み解けるのです。

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